12. 幸せの貼り紙はいつも背中に


「幸せの張り紙はいつも背中に」は2014年の日本語の曲の中でナンバー1だ。この平野航さんの詞曲をアレンジするのは実に楽しい作業だった。一人でなく、曽我部恵一くんと一緒だし。まず、デモを聴き、さらに膨大なデータをいただき、それを整理してスタジオに行き、曾我部くんと生の楽器に置き換えていく。曾我部くんが、打合せ時にキース・ウェストの「Excerpt From A Teenage Opera」を持って来て、こんな感じはどうだろうと。音像はこれで決まり。デモに入ってたストリングスがとても良かったので、音源を変えて音質も変えて使ったりもした。ミックスのほとんどを曾我部くんがやり、最後は歌の聞こえ方のチェックをディレクター氏にお任せする。そんなプロダクションだった。いい曲に巡り会えてとても良かっし、楽しかったし、歌声もなんだか南米のロックを感じる、素晴らしいものだった。

<鈴木慶一>